AR派に薦める倫理本の選び方 2016 4

AR派に薦める倫理本の選び方 2016 4

理屈でもある程度戦えるようになりたい、という人にお薦めの倫理本です。

<基本の三冊>

これが、西洋倫理学を学ぶ上でいま良いと思う三冊です。

本当にわかる倫理学 [ 田上孝一 ]

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価格:1,620円(税込、送料込)



動物からの倫理学入門 [ 伊勢田哲治 ]

動物からの倫理学入門 [ 伊勢田哲治 ]
価格:3,024円(税込、送料込)



現代倫理学入門 [ 加藤尚武 ]

現代倫理学入門 [ 加藤尚武 ]
価格:1,015円(税込、送料込)



最も平易なのは田上孝一さんの本ですが、できれば三冊以上は目を通してほしいです。たとえば野球のピッチャーを5人見れば、共通する点が分かりますね。もし一人しか見たことがなければ、「野球のピッチャーというもの」がなかなかうまく理解できません。

これら入門本では、著者の主張が長々と述べられるのではなくて、歴史的な様々の論者や考えが紹介されるのが一般的です。

<もう少しというなら>

ピーター・シンガーの『実践の倫理』や、ジェームズ・レイチェルズの『現実を見つめる道徳哲学』なども倫理学全般の入門本として良いです。

<ブックガイドを参考にする>


各入門書には、参考文献リスト、ブックガイドがついています。これをもとに、他に読む本を選んでいきます。

たとえば「基本の三冊」「もう少しというなら」であげた本などは、いわば相互リンクのようなブックガイドになっており、相互に信頼できる本であることを示しています。

<向こうも使っている>


動物問題などで自分と意見が大きく異る相手とかも、無意識的にも西洋倫理学を使っている場合があります。

自分の意見にどうしてもマッチしない法律なども、実は大体の場合は西洋倫理学的な思想にもとづいて作られています。

このことを意識するとモチベーションが出てくるかもしれません。

<人間の倫理から>

上で紹介した本は、(伊勢田さんを含めて)人間の倫理の本です。

特別に動物の話ということではないわけですが、倫理を考える上では、動物も何らかの形で入ってきます。ここがポイントです。

たとえばですが「~という理由から、動物は一切倫理的な配慮の対象にしなくて良い」といった話が出ているとしても、それこそ動物が問題になっているわけです。


<聖人君子を目指すわけではない>


倫理学というのは、なにかこう聖人君子のようになろうというものではありません。お説教でもなんでもありません。

倫理学は哲学の中のひとつですから、哲学が「いろいろなもの・ことを疑ってみる」ものだとすれば、倫理も、いろんな「普通に考えたら正しそうなこと」を疑う面を持っています。

たとえばですが「どれぐらい放埒に生きても許されるのか」のようなことも、もちろん扱われます。

<回し読みしない>

倫理の本は、辞典や図鑑のようなものです。必要と思った時に、必要と思われる箇所をチェックします。最初のページからスタートして、最後まで読み切って終わりというものではありません。ですから本は買うか貰うかして所有します。

もちろん、だいたい肌に合うかどうか調べる意味で立ち読みしたり、図書館で読んだりするのは良いでしょう。

<フランス現代思想に気をつける>

書店の哲学コーナーには、「フランス現代思想」の本が随分多く並んでいます。たとえばデリダなどもそれです。

これらが悪いわけではありませんが、英米系の倫理学のような明晰さがないどころか、つかみどころのない思想が展開されがちです。動物倫理を学ぶ上では英米系の倫理学(+カントなどドイツ、ギリシア)で十分です。

<有名な論者の本を全部・沢山読む必要はない>

岩波文庫のコーナーなどを見れば、ジョン・スチュアート・ミルの『自由論』とか、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』なども普通に並んでいます。ソクラテスやプラトンの本も文庫になっています。

で。これらの本をすべて読破する必要はありません。それでこそ倫理だと思ってしまうと、とんでもない時間がかかりますし、ポイントを押さえるには数行で良い場合も実は多いです。

※学ぶこと自体を目的とする学生はこの限りではありません(重要)

<宗教や信念を否定するものではない>

論理的には上手く説明できないような宗教や、別に何々教というのでなくて個人の信念というものは各自あるかもしれません。

倫理学は、別にそれらを否定するものではありません。

説明しようのない信念どうしでぶつかり合っていてもなかなか生産的にならないとか、自分でもよく考えがまとまらないとかいう時に、「道案内」的に使えるのも倫理学です。


<大学の勉強をしているかどうか>


たとえ中途退学でも何でも、大学の勉強をある程度ガリッとやった人は、学問についてのカンができています。だから、本の中でポイントになる部分とか、そうでもない部分とかをある程度見抜けるようになります。

何でもかんでもというわけには行きませんが、たとえば法学・経済学・心理学・教育学・論理学・政治学・フランス文学・図書館情報学・宗教学・美学

などというふうに学んでいれば、その中での「倫理学」の特徴というかクセのようなものが掴めるようになります。「野球のみ」の経験ではなく、野球とソフトボールとサッカーとテニスと卓球をやったことがあれば、野球の特徴がより掴めるようになりますね。

<教養をつける本>

さて↑よりこちらを書きたかったのですが、大学の勉強にそれほど馴染みがない場合、倫理本を読んでみてもどうしても理解できない、すぐつっかかってしまう、というようなことは有ると思います。※「卒業していても、全く勉強しなかった」のような人はこれに該当してしまうケースもあるかと思います。

そもそもスポーツ経験がない、というような感じですかね。走ったり、何かを投げたりとかいう基本動作の訓練ができていない状態です。

こういう場合には、放送大学などに入るのも手ですが、そこまでは…というのならば、「有斐閣」の「アルマ」シリーズや、同社「ストゥディア」シリーズなどから、興味の持てそうな本を数冊読むのが良いかと思います。そうしますとガクモン的な本に慣れてきます。放送大学のテキストでも構いません。

「これで必ず分かる人文学の世界」とか、そういう安易そうな本には手を出さないように。遠回りになります。或いは迷路に入ります。

<答えは出ないかもしれないが>

或る程度倫理学を勉強すると、むしろ謙虚になるところも出てきます。他のガクモンでもそうですね。「これで正解だ!」などとは、なかなか言えなくなるかと。

ただし同時に、「少なくともこれは言える」ということも勿論出てくると思います。
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現在は休止中ですが電動RCが趣味。動物問題への関心を高めています。Twitter、Youtubeもあります。ブログはこちらFC2がメインです。

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